よくある幅広く信じられているセキュリティ勘違い-その1(メール編)

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よくある幅広く信じられているセキュリティ勘違い-その1(メール編)

2020/06/02

皆さんの周りに会社間の取引で見積りや重要書類を送るときにメールを2回送って、1回目はZIPパスワード付き書類で2回目はパスワードを送るという方法でやっている会社が非常に多くありませんか?



これ、実はとんでもない大きな誤りなのです。全く安全ではありません。

メールのヘッダーはSMTPコネクションで相互に交換する際に暗号化されませんしスニファー機能があるソフトで簡単にトラッキングできます。メールで暗号化されるのはメールクライアントとメールサーバ間だけであり、メールサーバから宛先のメールサーバ間は必ずしも暗号化されていません。暗号化には送信側と受信側の両方が暗号化通信に対応している条件が整っていなければただの平文が流れていると思ってください。

FromアドレスとToアドレスがネット上の通信パケットでテキストで読めるのですから例えばWireShark等のネットキャプチャーソフトでフィルターかけてトラッキングすれば簡単にわかります。
でも一般の方はこの事知られていないし、固くそれが安全だと信じています。



この方法の場合、少しやり方を変えて、最初のメールを送るまではOKです。2回目のメールのパスワードを送る箇所を別の方法に変えるとかなり安全になります。

上記のように何れかの方法にするとかなり安全になります。しかし、最初のZIPパスワード付きなのですが、これは100%パスワード解読ではありませんがクラッカーの世界では解読するソフトが流通しています。完全に安全とは言えません。



少々乱暴ですが、Facebookのメッセンジャーやビジネスチャット等で添付して送るほうが何倍も安全です。Lineやfacebookの乗っ取りや事故は多くがセキュリティに疎いユーザがわかりやすいパスワードを付けたり、第三者にわかるようにパスワードを晒したり、スパイウェアをパソコンやスマホの中に感染してしまって起きているものであり、仕組みそのものが全く安全でないということではありません。

メールサーバは暗号化通信においてメールボディを暗号化して送受信を行う技術は確立されていますが、メールを送る先とメールを受け取る先が同じ規格でメールの通信する環境を作っていないと完全なる暗号化の相互受信はできません。
つまり、メールサーバやメールクライアントはその会社、プロバイダー、個人ごとに仕様がまちまちで、お互いに相互受信しようと思ったらノーマルのテキスト通信が一番問題なくメール交換が出来るのです。そりゃそうですよね~相手のメールが暗号化されても自分のメールクライアントが暗号化に対応してなければ受け取っても読めないですから。